ボランティア体験記 カミヤタカヒロ編

2004年2月
楽しく投げよう。フライングディスク。
PROFILE
神谷高浩
神谷高浩(23)

普段はボーっと過ごす大学院修士1年生。余暇は70分のMDを何回も回しながら本を読みふける。ノンフィクションを好むが、最近は文学にも手を出そうと企む。ボラみみの活動は、編集現場を体験したいと2002年8月から参加。
「ここで、手続きを取るのですか?」
 「選手が主役であり、そしてボランティアスタッフの方々も主役であるということで運営を進めて行きたいと思います」。フライングディスク実行委員長河合健太郎さんの最初の言葉だ。今回参加した競技会で一日中ボランティアをして、最後に残ったものは何かを考えていると、それが答えだったと気づいた。ボランティアは、自分が主役を演じるためにするのである。
 大会当日の8時30分に集合した後、少しの説明を受けて仕事に入った。最初は受付業務だ。選手らの受け付け確認が済むと、次に開会式後の競技の召集を行った。プラカードを掲げ、選手を集め、フィールドに誘導する。列の後ろの方に立っていた僕は動き方を説明する責任者の声が時々届かず、その時は右にならってできるだけ円滑に事が運ぶ努力をした。
 あるチームを誘導した後、そのチームの競技を観察していた。僕と同世代らしき選手の一人がディスクを投げた。ディスクは風を切るため、簡単にスピードが出せるのだが、手を離すタイミングと回転のかけ方が難しいのが特徴だ。第1投目は、通過すれば得点となるそれは失速し、横にそれてはずれた。惜しい。2回目もだめだった。
 彼は焦ったのか、次のディスクを早くくれとでも言わんばかりに手をさし伸ばした。3、4、5回目、と投げた。しかし結局、その選手は、一回も標的に入れることなく競技を終え、定位置に戻った。僕は彼に何の励ましの言葉も与えられもせず、ただ見守ることしかできなかった。本番で成果を発揮できない悔しさは、運動部だった僕も味わった経験があるからだ。障害者も健常者も、気持ちに違いはないだろう。
 
体育館入り口付近。階段に整列し、拍手で選手達を迎える。 選手らの「おはようございます」と言う声の大きさに圧倒された。 スポーツマンシップを感じた

体育館入り口付近。階段に整列し、拍手で選手達を迎える。 選手らの「おはようございます」と言う声の大きさに圧倒された。 スポーツマンシップを感じた
 
召集場所で待機した後、プラカードを持ったボランティアの誘導で奥の競技場に入場した選手達。 競技を見守り、自分の番を静かに待つ

召集場所で待機した後、プラカードを持ったボランティアの誘導で奥の競技場に入場した選手達。 競技を見守り、自分の番を静かに待つ
 
車椅子に乗りながらの投盤。 リングの向こう側には高校生のボランティアがいて、ディスクを拾っていた

車椅子に乗りながらの投盤。 リングの向こう側には高校生のボランティアがいて、ディスクを拾っていた
 
午前の部は団体戦で、5人の組がそれぞれ順番に、離れた位置からディスクを標的となるリングに向かって投げ入れ、上位3名までの総合得点を競う。ディスクを集め、選手に渡すまでがボランティアスタッフの役目

午前の部は団体戦で、5人の組がそれぞれ順番に、離れた位置からディスクを標的となるリングに向かって投げ入れ、上位3名までの総合得点を競う。ディスクを集め、選手に渡すまでがボランティアスタッフの役目
 
「日ごろの練習は、辛くない。楽しい。」
 支給された弁当とお茶で昼食を終え、ある選手に話しかけた。高校生そうなその選手は、「毎日1時間くらい練習するけど、辛いと感じたことはないです」という。最初からフライングディスク部の体験入部に参加し、すぐに入部を決意したとか。
 楽しいときはディスクがうまく標的に入った時だ。スランプに陥ったときは投げ方を変えてみて、乗り切ったそうだ。彼が動機を持ってスポーツを始め、生活の中で練習を楽しみ、日頃から競技に対する目的意識を持っていると感じた。彼は輝いていた。
 最後は競技を終えた選手達を表彰所まで誘導する仕事。表彰所ではチームごとに全員がメダルを授与され、スタッフがそれぞれのチームを取り囲んで万歳を三唱した。
 
本大会名物と言われる“万歳三唱”。メダルを授与され、会長からの握手が同時に各グループで行われる
  本大会名物と言われる“万歳三唱”。メダルを授与され、会長からの握手が同時に各グループで行われる
 
出会いを大切にしていこうと思った
 ボランティアを終え、僕は今の生活に必要なものは、日常を楽しむことであると思った。はじめは、用事で行けなくなった友だちのピンチヒッターのつもりで参加した大会だったが、障害者・健常者関わらず、好きで何かを開拓する人は本当に幸せそうに見える。自分にとって、思わず真に豊かに生きるための思いを得たボランティア体験だった。
 

あいち障害者フライングディスク協会

毎月第4日曜日の定例教室を実施し、「あいち障害者フライングディスク競技大会」を随時開催している。これまでに2回行われており、平成14年12月1日と同15年11月24日にそれぞれ開催された。ボランティアスタッフは老若男女、合わせて195名。10代から70代のメンバーで構成されている。事務局長であり、県立養護学校勤務の河合さんは日曜日もフライングディスク部の顧問としてバリバリと活躍中である。現在、大会におけるボランティアを募集中。

事務局長: 河合健太郎
E-Mail: kawakawa_1@ybb.ne.jp
FAX: 052-991-1727(事務局)
【お問い合わせはできるだけFAXでお願いします】

 
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