| フィリピンという国にどんなイメージをもっているだろうか?「暑い国」、「きれいな島がたくさんある国」、「バナナが取れる国」など、人によって印象は違う。いまいちどんな国かわからない人もいると思う。逆に、国際協力活動に関心がある人に聞くと、「貧しい国だ」という印象を持つ人もいる。どれも違っているわけではないけれど、比較的、みんな自分のもつイメージでその国や地域を語りがちで、それが時には偏った見方になりかねない。実際、フィリピンにはお金持ちの人もたくさんいるし、普通に暮らしている人もたくさんいる。自分の中のイメージにないことは、行ってみなければ気づかないことが多かったりするのだ。だから、実際にNGOがフィリピンで活動を続け、生活を送る中での出来事を、少しでもいろいろな側面から伝えていくことが必要なことだと思う。 | ||||
![]() 市川恵(25) 長野県上田市生まれ。高校卒業後、愛知県知多半島にある日本福祉大学に入学。経済学部経営開発学科にて国際開発を勉強する。その後京都の立命館大学大学院国際関係研究科に入学し、2年間の修士過程を修了する。「開発」「NGO」「教育」をテーマにボランティア活動や研究を行い、昨年4月、「特定非営利活動法人アジア 日本相互交流センター(ICAN)」に就職する。 |
フィリピンのいろいろな部分を伝えるために 日本の事務局には専従スタッフが2人いるが、日常の事務処理以外の仕事として、事業ベースやイベント・企画ごとに担当が決められる。なかでも、今年は国内事業のうち、「国際理解教育」は2人の担当となっていたが、もうひとつ私は「フェアトレード」の担当でもあった。 ICANで行っている国際理解教育は、特に貧困の問題を知ってもらい、少しでも自分にできることを考えてもらおうという目的で、学校や生涯学習センター、時にはICAN事務所で授業やワークショップを行っている。スラムで暮らす人たちの生活がどんなものか、またその暮らしにはどういう背景があるのかなどを、現地住民の生活背景を元にして、シミュレーションゲームや写真を使った授業などを行っている。彼らは現地では、社会的に弱い立場に置かれているために、自分達では声をあげることができないことが多い。だから、NGOは少なくとも彼らの暮らしと背景を伝えていく必要があるのだ。 もうひとつ、ICANが国内で行っている事業でフェアトレード事業というのがある。これは、パヤタスと呼ばれるスラム地区で職業訓練プログラムの一環で作られたクラフトやぬいぐるみなどをマニラや日本で販売し、少しでも彼らの暮らしを |
安定した生活につなげていこうという活動だ。現在、職業訓練に参加している女性たちは、裁縫の技術を習得し、それぞれが製作した商品を、ICANに買い取ってもらい、労賃を受けとっている。このフェアトレード事業には、彼らの暮らしを多くの人に知ってもらいたいという願いも込められている。
日本での国際協力活動 この2つの活動は、いろんな人にフィリピンを知ってもらい、疑問や関心を持ってもらうためのきっかけの提供に過ぎない。日本で行う国際協力活動として、国際理解教育やフェアトレードを通してできることは限られているかもしれないが、こうしたきっかけをいろんな人と共有していくことで、少しでもみんなの中のイメージを膨らませていくことができたらと思っている。事実や現状というのは、見る人や視点によって様々な捉え方をされるものだ。問題のありのままを把握していくことは難しいかも知れないが、まずは世界にはいろんな暮らしがあるんだということを知っていくことが、国際協力やNGOの活動につながる第一歩なのかもしれないと思う。 ICAN作業所の活動を支えている一人のネリアさん。今年から高校生になる娘さんがいるので、「彼女の学費を稼ぐため、ICANの作業所でクラフトづくりをして、お金をためているのだ」と話してくれました。 |
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| 2月に1ヶ月間フィリピンに行ってきました。初の海外出張ということで、今回はいろいろな業務を抱えていったのですが、最大の目的は現地のプログラムがどう行われているのか、誰が関わっているのかを把握することでした。パヤタス地区と呼ばれるゴミの処分場が存在するスラム地区でプログラムを行っているのですが、そこへ行き、実際のプログラムに住民がどれだけ関わっているのかなどを見てきました。 また、それと同じくらい重要だったのが、マニラ事務局での事務処理の進め方を話し合ってくることでした。今は日本とマニラ事務局ではメールだけのやり取りしかできないので、その中でどういう情報を日本は必要としているのか、もっとコミュニケーションを上手く図っていくにはどうしたらよいかなどを、マニラで働くスタッフやボランティアとミーティングを行ってきました。 1ヶ月は非常に早かったですが、貴重なフィリピン滞在を今後の活動に活かして行きたいと思っています。 | ||||
一般的な乗り物である「ジプニー(アメリカ軍が残したジープを改造して作った乗り物)」。これを乗りこなすのに1週間はかかりました。窓ガラスがないので、車から出される排気ガスと戦いながら移動をしていました。 |
ICAN現地法人の理事の方たちと。フィリピン滞在中、彼らのお宅にホームステイをさせていただきました。 |
現地でプログラムに関わっている女性たち。みんなやさしくて働きもの。パヤタスにいると、「豊かさ」と「貧しさ」を改めて考えてしまいます。 |
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