平野 ちひろ
聴覚障害者。子ども3人のうち、2番目の息子がダウン症。平成9年8月から、息子の療育を目的にカリフォルニア州立大学ノースリッジ校へ語学留学。子どもたちはそれぞれアメリカの小学校で1年間学ぶ。現在、ハッピーサークル(手話サークル)、ASL手話講座(アメリカ手話)など、名古屋市北区を中心に活動。3人の子育ての傍ら、障害児の母親たちと活躍中。
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私は平成9年から1年間、語学留学も含め、息子の療育のためにアメリカに留学していました。その1年間で出会ったメキシコ人、ロシア人、アメリカ人、黒人、中国人などの子どもたちは、それぞれ個性があり、世界各国の文化が違っても、とっさに人を助ける習慣を身につけていました。私が初めて子ども達と一緒にアメリカに移住した時、日本からの荷物10数パックを運ぶのを手伝ってくれたのはメキシコ人の子ども達でした。4人の子どもがいるメキシコ人家族が我家の隣に住んでいて、彼らが見知らぬ人でも何かあったらとっさに助けるところを見て、最初は驚き、感心したものです。渡米して間もないころ、言葉が通じなくても自分の子どもたちと一緒に遊んでくれたこと、身振り手振りで言葉を交わしたことなど、子ども達の順応の早さに脱帽したことを今でも鮮明に覚えています。
ある日ダウン症のたかひろがエスケープした時、近くの子ども達がとっさに彼を捕まえて家まで連れてきてくれました。もし日本で同様のことが起きていたら、私はドアを開ける音が聞こえないので、たかひろはきっと交通事故に遭っていたか、行方不明になっていたかも知れません。とっさに人を助けることが身についていると自分に何か起きた時に助けてもらえるという安心感があります。子ども達が急な時に助けてくれるのは、日常から思いやりのある行動ができているからでしょう。私自身が家の前で生ゴミを5袋抱えながら階段から転んだ時も、近くの子ども達が手を差しのべてくれました。「大丈夫ですか?気をつけて」。「ありがとう。大丈夫です」。子どものうちからどんな人にも受け答えすること、人を助けることのすばらしさ、大切さを日本の子どもたちにも伝えたいと思わずにはいられませんでした。
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