クローズアップ ボラ人 2003年1月
「ささしま共生会」 竹谷  基さん
「ほうっておけない」という気持ちを自分にできることで形にする
竹谷さん
     
 
 20年以上にわたってホームレスの人たちへの炊き出し活動を行ってきた「名古屋炊き出し連絡協議会」を母体とし、昨年NPO法人として再スタートした「ささしま共生会」。毎週月曜日と木曜日の夜に栄で炊き出し活動を行う他、ホームレスへの住居提供や就職支援を行っている。この「ささしま共生会」のメンバーで、毎週木曜日の炊き出しに参加し続けて20年になるのが、竹谷基さんだ。

竹谷さんがこの活動を始めたのは、まだ学生だった1981年のこと。「何か社会的なことをしたい」と思っていたときに、知人がやっていたこの炊き出しの活動を知ったのがきっかけだった。以来、仕事の関係で名古屋を離れた一時期を除けば、1年間ほぼ休みなく、毎週この炊き出しの場にやってくる。 「炊き出し」が実際に行われるのは夜だけだが、1回の炊き出しには、準備・片付けを含めて丸2日を費やすという。木曜日の炊き出しを担当する竹谷さんも、その日は朝から準備を手伝うそうだ。炊き出しに参加するボランティアは毎回20人ほど。学生のボランティアも多く、彼らをしきるのも竹谷さんの役目。しかし「黙っていても学生が自発的にやってくれる」と話す竹谷さん。学生たちからも慕われる存在で、取材時も、高校生や大学生が次々に竹谷さんのもとへやって来た。

炊き出しの様子
炊き出しの様子。
高校生と大学生のボランティアがこの日も元気に食事を配っていた。
「はい、どうぞ」「ありがとう」と、あたたかい言葉掛けが何度も繰り返される。

 炊き出しに集まるホームレスの数は毎回500人にものぼるとか。「炊き出しの一番の目的はホームレスの人たちとの交流」と竹谷さんも話すように、食事の配給が始まる夜8時までの1時間は、「交流の時間」にあてられている。
「ホームレスに対する間違った見方、先入観が社会の中にどうしてもある」「食事を与えるだけでは何にも変わらない」と、ホームレスの問題に向き合うことを忘れない竹谷さん。難しい問題だからこそ、声を交わすことから始める大切さを感じている。
竹谷さん自身も、以前は偏った見方をもっていたそうだが、話をしているうちに、「彼らも仕事がしたいんだ、ふつうの人なんだ」ということが見えてきたという。「今でも偏見の目を拭い切れない部分はある。この活動をすることで、そんな自分の醜い部分を思い知らされた。だからこそこの活動は続けていく」と話してくれた。

 普段はカトリック教会の神父として働く竹谷さん。「ほうっておけない」「自分にできること」、それを行動に移した結果がこの活動だと振り返り、教会での活動とはまた違った意味が、この炊き出しの活動にはあるという。「用事で来れなかった週の翌週は、彼らの方から声をかけてくれる」「町ですれ違ったときも声をかけてくれる」、と嬉しそうに話す竹谷さん。「一人でも多くの人が、まずこの炊き出しの場に来て欲しいです」と付け加えた。





 
 DATA 特定非営利活動法人 ささしま共生会
 
事務局 : 名古屋市中村区大宮町2-66
TEL/FAX: 052-481-1360
URL : http://www6.ocn.ne.jp/~sasasima
活動内容 : 野宿生活者の「自立」のための協力・支援活動。
衣食住の提供、医療・生活相談、就労機会の提供など。
ボランティア募集中。 詳しくはお問い合わせください。



 
     



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