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特集 楽しく、人や世界とつながろう! ―Cocoagora(ココアゴラ)―

「ジャパン・エクスプローラーズ」(以下「JE」)改め「Cocoagora(ココアゴラ)」は、旅・国際協力・多文化共生をキーワードに集まった若者たちが中心の団体だ。 外国料理の料理教室や外国人難民向けの日本語教室、フェアトレードの推進など、外国人との多文化共生と国際協力をテーマとする交流イベントを主催している。 代表の市野将行さんにお話をうかがった。

名前は活動を表す

写真 2010年ワールドコラボフェスタにて。

 「JE」の活動は、市野さんが10年間に及ぶバックパッカー経験などを通して感じたことを、若い人にも感じてもらいたい、という想いから始まった。南米を旅したとき、 いろいろな人が立ち寄って旅の情報交換ができる場所があり、そんなふうに気軽に情報を交換したり、人と人をつなぐワークショップができるような場所を名古屋にも作りたいと思ったという。 そして、一人ひとりが探検家(エクスプローラー)になったつもりで新しいことや自分のやりたいことを見つけて欲しいという気持ちを、JEという名前に込めた。
 しかし最近、団体の名称を「Cocoagora(ココアゴラ)」に変更した。もっと自分たちの活動にふさわしい名前、活動の中身がより伝わりやすい名前にしたいと思ったからだ。 「AGORA」とは、ギリシャ語では「広場」、ポルトガル語では「今」を表す。人が集まる場を作り、人と人をつなぐワークショップをしたい、という市野さんの想いにぴったりの言葉だ。 そして頭に「COCO」を付け加えた。文字通り日本語の「ここ」という意味と、「CO」には英語の「コミュニティ・オーガニゼーション」の頭文字、また接頭辞として「共同、同等」という意味もあり、 二つ重ねて「みんなが等しく共に集まれるこの場所」ということを表している。また、流れついた先で根付く「Coconut(ココナツ)」のように、「Cocoagora」がイベントなどで発信する何かが、 さまざまな人の心に届き、いつか芽を出して欲しいという想いが込められている。

活動の根本にある理念・目標

写真上 カンボジア・アンコール小児病院看護師 ・赤尾和美さんを招いての講演会開催(2010.3.20) 写真下 「ボランティアNPOフェスタ2011」にブース出展しました

 そもそものJEの活動のきっかけになったのは、カンボジアにある「アンコール小児病院」を運営している「特定非営利活動法人フレンズ・ウィズアウト・ア・ボーダーJAPAN」に協力して行ったチャリティイベントだ。 その病院で長年勤務されている日本人看護師の講演会を名古屋で開催するにあたり、イベント運営の協力を申し出たのが市野さんと名古屋市立大学の医学部生だった。その1回のイベントだけではなく、 何らかの形で支援を続けていきたいと考えていた市野さんと、考えを同じくする学生が集まり、その後も2回目の講演会を行ったり、イベントなどで「フレンズ・ウィズアウト・ア・ボーダー」の活動を紹介したりしている。
 そして、もうひとつのきっかけが、ケニアのスラムにある学校の支援だ。ケニアの首都ナイロビにある、東アフリカ最大規模のキベラスラムに住む子どもたちのための学校「マゴソスクール」やアフリカの諸問題について、 現地で活動している方たちを名古屋にお招きして講演会やアフリカ音楽のチャリティコンサートを企画運営した。 この支援活動も、「単発で終わらせてはいけない」「継続していくことに意味がある」という気持ちから、イベント以外にアフリカン雑貨の販売という方法で支援を続けている。
 この2つのイベントに関わったメンバーが集まり、「JE」ができるきっかけとなった。しかし、昨年まではイベント毎に違うメンバーで活動していて、1つのグループとしてのまとまりはあまりなかったそうだ。
 変化が生まれたのは、昨年10月のワールドコラボフェスタへのブース出展だった。ケニアやカンボジアの子どもたちのことを紙芝居にして、ブースを訪れてくれた方々に紹介した。その準備をしていく中で、 「世界をもっと身近な地域のこととして考えたい!」 「いろいろな人に、もっと世界のことを知ってもらいたい!」というみんなの想いや、これからやっていきたいことが共通していることを実感したそうだ。

人が集まる理由は・・・やはり「楽しさ」

写真上 国際協力をみんなで一緒に学ぶ勉強会楽しい!? 写真下 定例ミーティング

 現在の中心メンバーは10名ほど。2010年11月から始まった月に1度の定例ミーティングは、お菓子を食べながら和気あいあいと行われている。 中心メンバーのひとり、もんろうさんは「とても居心地がいい」と言う。 彼女自身は、自分が何をしたいのか分からず、もやもやしている時期にイベントのお手伝いがきっかけで「JE」に出会った。 「ミーティングも友だちに会いに来ているような感じだけど、学べることが多い。そして何よりいっちゃん(市野さん)というお兄さんのような存在が大きく、彼に惹かれてメンバーになった人も多いと思う」と、「Cocoagora」の魅力を話してくれた。
市野さんは、「メンバーみんなが主体性を持って活動をしている。無理をしても続かないので、まったりとゆったりと自分のやりたいことやできることを、メンバーそれぞれが楽しそうにやっているのが嬉しい」と話す。 学生時代にボランティア活動をしていても、社会人になると忙しくて活動が途切れてしまう人も多いが、「Cocoagora」では若い社会人が楽しみながら活動に参加している。
この特徴を生かして、若い人の参加が少ない団体とつながりを持つことで何かできないか、また、国際協力に関心のある学生と社会人をつなぐワークショップはできないかなど、市野さんの話からは次の活動のアイデアがどんどん出てくる。 これからも「Cocoagora」は、フットワークの軽さと柔軟さで活動の幅をますます広げていきそうだ。

■団体紹介 【Cocoagora(ココアゴラ)】
〒450-0002 名古屋市中村区名駅3-18-11 新明ビル3F ランダムネス旅人の英語学校内
TEL/FAX:052-563-5046
E-mail:cocoagora@gmail.com
URL:http://www.cocoagora.com/

 
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