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特定非営利活動法人りーぱ

まちづくりと福祉を柱に活動する「特定非営利活動法人りーぱ」を訪問しました。出迎えてくださったのは、安藤さんと石川さん。おふたりは理事であり、同法人の活動の柱となっている「和工房TAN・KEI」の運営スタッフでもあります。

コンセプト

写真 きりっと真剣に・・・七宝焼製作中!

 「特定非営利活動法人りーぱ」は、どんな人でも人生の「主役」として、障害があっても無くても、何歳になっても、地域の中で楽しく働き、安心して暮らしていきたい…そんな一人一人の「想い」や「その人らしい個性」を大切にし、お互いに助け合える地域社会を、いろいろな人たちと一緒に作っていくことを目的としています。
 そして、「誰もが主体的に働くことのできる場所作り」の第一歩として「和工房TAN・KEI(現在、名古屋市作業所型地域活動支援事業)」を運営しています。

ネットワーク

写真 「福祉」ではなく、「商品の魅力」で勝負!

 「和工房TAN・KEI」は、障害のある人たちが働く作業所として活動する一方、地域の中では「障害者施設(作業所)」ではなく「素敵な商品を製造販売する工房・お店」として認識してもらうことを目標としています。一人一人が地域の一員として働き、暮らしていくことこそが、地域の中での関係を築き、障害への理解、居場所作りにもつながっていくのではないかと考えているからです。それは、「りーぱ」の「まちづくり」における視点でもあります。
 そんなことを実現していくため、天白区地域障害者自立支援協議会、天白区の精神保健・福祉・医療をむすぶ会、ふれ愛ネット天白といった福祉分野に止まらず、植田商店街協同組合、地元学区といった地域のネットワークに積極的に参加しているとのことでした。

販売物

写真 

時にはこんなおバカ企画でまちづくり!

 「和工房TAN・KEI」を立ち上げ、「この指とーまれ」と声をかけて集まったメンバーたち。一人一人がアーティスト・スタッフとして自分の興味、得意分野を生かし「和」をテーマにした七宝焼のアクセサリー、オリジナルTシャツ、小物などを製作しています。また、少し変わったところでは漬物も製造販売しています。 私がお邪魔した時、着色料・保存料無添加で作った無農薬の赤かぶ漬けをいただきました。あまりのおいしさに衝動買いをしてしまったほどでした。
 TAN・KEIでは、福祉のものだからという善意や同情に頼ることなく、そのものの魅力でリピーターになっていただける商品作りをめざしています。まだまだ課題は多くあるそうですが、その作品・商品には、「自分にしかできない七宝を作りたい」「釉薬を薄く盛る技術には自信がある」、そんな一人一人の熱い想いが込められています。

販路

 七宝焼アクセサリーは地元の天白区のお店を中心とした6カ所で委託販売する他、出張販売としてクリエイターが集まる販売会、商店街のお祭り、大学祭といった様々なイベントに出店して販売しています。漬物は県内9カ所に卸しているということです。インターネットでの販売もしていますが、こちらは今のところなかなか売れていないということでした。

■団体紹介 【 特定非営利活動法人 りーぱ】
〒468-0052 名古屋市天白区井口2丁目701番地 サンスカイマンション105号
〔TAN・KEIも同じ住所〕
TEL/FAX:052-807-8595
E-mail:wakoubou-tankei@w7.dion.ne.jp

■ 取材者のひとこと
 設立当初は資金も無し、場所も無しと無い無いづくしでスタート。しかし「想い」「人とのつながり」というお金で買えない無形の財産を活用しつつ6年が経過。試行錯誤しながらも大きな夢に向かって着実に前進している「りーぱ」に大きな希望を感じました。