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◆特集◆

誰もが暮らしやすい「多文化共生社会」に向けて強力なネットワーク作りを目指す
  −特定非営利活動法人 多文化共生リソースセンター東海−

「多文化共生」― 最近よく耳にする言葉だ。しかし、自分とは関係のないことと思っている人も多いのではないだろうか。 私たちの地域では、様々な文化背景を持つ人々が生活し、また、その人々をサポートしようという団体も多く存在する。 「多文化共生リソースセンター東海(以下、リソースセンター)」は、 そんな団体をつなぐネットワークを作り、人材不足や資金不足という共通の課題を解決すべく、 2008年10月に誕生した団体だ。

多文化共生に向けての“中間支援”

2/21に行われた『外国人コミュニティフェア』の様子

2月21日に行われた『外国人コミュニティフェア』の様子。
外国人グループの皆さんが、自分たちの活動をアピールする場です。

 代表の土井さん、事務局長の河村さんを始めとするリソースセンター発足時のメンバーは、 それまで日本語教室や国際交流イベントなど、 外国人住民を対象とする支援活動に携わってきた人たちだ。 こうした支援活動の現場では熱意あるボランティアが中心となっていたが、 活動の継続性・発展性を考えると、 プロフェッショナルな人材による支えが必要ではないかとの思いから、 リソースセンターを立ち上げた。
 多文化共生社会の実現につながるリソース(人材、情報、資金等)を発掘し、創出し、つなぐ、 また、多文化共生に関するロールモデルを作って発信するという理念を掲げ、 様々なイベントやセミナーを実施している。
 例えば、東海地域で活動する外国人グループが自分たちの活動紹介をし、 支援者とのつながりを作るためのイベント「外国人コミュニティフェア」を開催している。 また、「進路・進学ガイダンス」を通じて、外国につながる子どもたち(※) などをサポートしている。 といっても、直接子どもたちにアプローチするのではなく、 子どもたちをサポートしている人たちをサポートすることで、子どもたちの未来を応援している。
 地方公共団体からの依頼を受け、多文化共生について話をしたり、 地域で多文化共生を進める人材を育成するための企画を担当したりすることも多い。 「数年前から行政が盛んに『多文化共生』を唱え始めたが、 まだまだ地域住民までは届いていない」というのが実感だそうだ。

※外国で生まれて日本に来た子どもや両親が外国人の子どもたち

そもそも「多文化共生社会」とは?

「国籍や民族に関係なく、その人自身がひとりの人として見られ、大切にされる社会」 「どこで暮らしていても、自分の力を発揮できることが大切」。 河村さんに、「より良い多文化共生社会とは?」という質問をした時の答えだ。 単に「共生する=共に同じところで生活する」だけではなく、 一人ひとりが自分の力を存分に発揮し、笑顔で生活を送ることができなければ、 本当に多文化が共生しているとはいえない。 外国人住民にとって暮らしやすい社会は、 日本人にとっても(大人、子ども、高齢者、ハンディキャップのある人など全ての人々にとって)、 暮らしやすい社会のはずだ。

自分のやりたいことを実現できる場

子どもたちが作った世界地図 世界中にお友達の絵が貼り付けられた世界地図の拡大写真

「世界中に友だちを作ろう!」COMBi本陣文化祭にて。
子どもたちが色を塗り、世界地図に貼り付けました。

 そんな社会作りを目指して活動しているリソースセンターの一番の魅力は、 自分のやりたいことを企画できることだ。 こういうイベントはどうだろう、今こんなサポートが必要なのではないかなど、 自分で考えたことを企画して実現できる場なのだ。 「何もないところから作りあげていくのがとても楽しい!」と、河村さんは満面の笑顔で言う。
 また代表の土井さんは、「新しい団体だけど、いろいろな人から必要とされているのを感じる。 うれしくもあり、とてもやりがいがある」と力強く話してくれた。 「活動の紹介をすると、みんな興味を持って聞いてくれる」と河村さん。 それだけ、このセンターに対する周囲の期待が大きいのだろう。
 しかし“中間支援組織”ならではの悩みもある。 外国人住民を直接支援する「現場」での活動ではなく、間接的な支援になるので、 ボランティアで参加してくださる人たちにリソースセンターの魅力やリソースセンターでできることを伝えるのが難しいということだ。

やりたいこと、やるべきことはまだまだいっぱい

ボランティアさんが描きました

ボランティアさんが描きました

 最後にこれからの目標を聞いた。
 まずは、ニュースレターを発行すること。 受け取る側が本当に欲しい情報を伝えられるようなニュースレターを、 ボランティアの意見を聞きながら一緒に作っていきたいという。 それから、毎年開催している「外国人コミュニティフェア」を発展させ、 料理交流会やダンスのワークショップなど、より交流が深まるイベントを作ること。 例えば、ブラジルでは市販のタオルにかわいい刺繍をすることが多いそうだ。 その刺繍入りのオリジナルタオルを作る講座など、 楽しみながら多様な文化に触れられるような企画を作っていきたいという。
 もうひとつは、ウェブ上でのネットワーク作りだ。 「教育」「労働」「医療」など、分野別に分散している情報を集約し、 みんなが求めている情報を探しやすくするのだ。 数多くある支援団体や役立つ情報を、もっと活用しやすいように環境を整えるのが目標だ。
 最後に河村さんは、自身の目標として、 「子育て支援をしたい! 日本人外国人に限らず地域に密着した形で母親同士がつながる場所を作りたい」と話してくれた。 子育てをきっかけに母親同士がつながり、国籍や文化を超えて理解しあうきっかけを作り、 地域に多文化共生を広げていきたいそうだ。 次から次へとイベントのアイデアが出てくる河村さん。 そのどれもが、支援を必要としている人の声を直接聞いてきた経験から出てくるアイデアだ。
 よりよい「多文化共生社会」の実現に向けて、 現場での経験も併せ持つメンバーが活躍するリソースセンターの活動は非常に大きな力となるだろう。 これからの活躍が楽しみだ。

Information


特定非営利活動法人 多文化共生リソースセンター東海
〒453-0021
名古屋市中村区松原町1-24 COMBi本陣N203
TEL : 052-485-6150 FAX : 052-485-6155
E-mail : mrc-t@nifty.com
Blog : http://blog.canpan.info/mrc-t/
※地域のリソースの収集・整理・発信を通じて東海地域の多文化共生社会づくりに貢献することを目的に、 様々なイベントの企画・実施やネットワーク作りをしている。
←代表の土井さん(右)と河村さん。 土井さんと河村さんの写真
↓事務局の様子。とてもアットホームな雰囲気の中、2人のボランティアさんが作業中でした。事務局の様子の写真

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