2007年2月号 ■特集■                     ホームへバックナンバーへ   
   

ボラ体験レポート編 今回は、レポーター2名が以前から気になっていた団体を訪問しました。二人とも、様々な立場や年齢の他のボランティアさんと一緒に活動を楽しみながら、新たな発見や驚きがあったみたいです。



REPORT 1     レモンクラブ
乗馬で子どもの発達支援を目指す。


  障害児の乗馬活動


 月刊『ボラみみ』を見て、ちょっと気になっていた団体「レモンクラブ」 、この度ボラみ隊としてこちらの活動に参加してきました。
 活動の拠点となる牧場は、犬山の入鹿池湖畔にあります。私が行ったのはちょうど紅葉が始まる時期だったので、ドライブ気分で向かいました。牧場では、レモンクラブ代表の慶野さん夫妻が温かく迎え入れてくださり、初めてボランティアに参加する緊張感が和らぎました。時間になるまで馬と触れ合う時間がありましたが、可愛らしい馬たちに、まず私が癒されてしまいました。この日、活動に加わったボランティアは、乗馬の指導ができる方2名、作業療法を学ぶ学生さん4名と私の7名でした。日曜日だったので比較的多かったのですが、平日は人手がなく、この『ボラみみ』を見て定期的に来てくれる方がいるのでとても助かっているそうです。
 10時近くになると、参加する5組の親子が集まってきました。始めに慶野さんが今日は誰がどの順番で、どんなことをしながら馬に乗るのか説明し、ボランティアを振り分けて活動に移ります。安全対策として、馬の両側に子どもが落馬しないよう介助をつけ、怪我の無いよう万全を尽くします。いよいよ乗馬が始まりました。親御さんが子どもの名前を呼んだり、ポンポンを振って子どもの反応を引き出したりしながらゆっくりと、時には速歩で馬場を一周します。皆一通り乗り終わると、2回目の乗馬が始まります。今度は子どもが自ら考えて行動する作業が取り込まれています。馬に乗ったままボールを籠にいれたり、お母さんの指示で物を配置したり、おもちゃを渡したり…。乗馬している子どもも、それを手伝う周りの大人たちも、とてもいい笑顔で活動していました。
 乗馬は前半1時間と後半1時間に分かれており、途中から後半に参加者する親子が集まり始めました。前半の親子との入れ替えを挟み、片付けを含め全ての活動を終えると1時近くになりました。
 
 驚きの効果!

「間を空けて乗馬させることには、ちゃんと意味があるんだよ」と、活動が終わった時、慶野さんは教えてくださいました。乗馬時の心地よい振動が脳に良い影響を与え、脳の組織が活性化するのでその後の作業に効果が現れるというのです。その活性化するまでの時間がちょうど順番を待つ時間となるのです。実際、乗馬活動を始めてから、半数以上の子どもたちに期待していなかった良い変化が現れたそうです。私はイルカセラピーのように動物と触れ合うことで心理的に何か影響があるのかなと漠然と考えていましたが、そのような相乗効果があると知って驚きを感じるとともに、楽しみながら療育できるということに魅力を感じました。

 馬とのどかな環境が醸し出す穏やかな雰囲気の中で、多くの家族が楽しみ、そして時には嬉しい発見をして帰っていきます。本当に素晴らしい活動に触れることができました。

体験

 ボラみ隊 安藤 かおり

NPOへの10日間の派遣研修で、ボラみみより情報局でインターンをした県職員。馬に試乗しただけで筋肉痛になってしまいました。今年の目標は筋力アップです。 









バランスよく乗馬できました。 お母さんと一緒に。 上級者向けの馬、アーサー君です。

団体紹介  レモンクラブ 
  犬山市高洞146  TEL 090-1759-3291
  URL http://www.asahi-net.or.jp/~sp8h-kin/
広汎性発達障害をはじめ、障害を持った子どもたちを対象にした乗馬活動を通して、心身の発達支援を目指している団体です。


REPORT 2     あいち日本語の会
外国人と一緒に日本語を学びなおす


 「あいち日本語の会」の活動とは


 今回は、以前からぜひ活動に参加したいと思っていた「あいち日本語の会」に行ってきました。
 レッスン開始時間が近づくと、社会人、学生、主婦など、年齢も国籍もさまざまな外国人学習者が集まってきます。ボランティアも、学生から日本語学校で教えている方まで、幅広い立場・年齢の方が参加しています。
 クラスは、日本語のレベルによって4つに分かれています。進行役のメインティーチャーが1人、その他のボランティアは学習者の間に座り、わからないところを補足したり、発声を促したり、ペアワークをしたりしながら、レッスンを進めていきます。学習者もボランティアも私のクラスという感じの和やかな雰囲気の中でレッスンが行われているなあと感じました。
 
 日本語の難しさ、面白さ

 授業の内容はクラスによって違いますが、どれも生活に沿ったものでした。例えば、日にちの言い方や道順の説明、友達や医者に自分の体の症状を伝えるなどです。体の症状を伝えるときに使われる言葉の中には、「鈍痛」「しくしく」「ずきずき」など、説明の難しいものがたくさんあります。自分だったら、どんな風に説明するだろうなあと考えながら、見学させていただきました。
 また、「マフラーを巻く・する」、「指輪をする・つける・はめる」など、皆さんはどうやって使い分けていますか?人によって言い方はさまざまですね。このように、人によって表現方法が違うものを教えることも、本当に難しいなと感じました。
 普段、私は子どもたちに日本語を教えていますが、活動を見学させていただいて、レッスンの進め方や説明の仕方など、非常に参考になる部分がたくさんありました。
 
 レッスン以外も大切な活動

 レッスン後は、クラスごと、そして全体のミーティングがあります。そこでは、その日のレッスンの様子や会の活動内容について話し合われます。ボランティアの皆さんが学習者をよく見ているということが伝わってきました。このように学習者の様子やレッスン内容について話し合うことは、活動のレベルアップに欠かせないことだと思います。レッスンを進めていく中で難しいのは、学期の途中から受講し始めた人への対応と、1つのクラスの中で学習者のレベルや学習したい内容に差があるときだそうです。そのような課題も、マンツーマンに近い学習形態と、ミーティングの積み重ねで解決していけるのではないでしょうか。
 「超初級の学習者でも、わからないなりに、今日習った文を言えたという喜びと自信を持って帰って欲しい」というボランティアの方の言葉がとても印象に残っています。いいレッスンにしたい、学習者に理解してもらいたい、楽しく過ごしてもらいたいという想いが詰まった「あいち日本語の会」でした。


相手を見舞うときの言い方も練習しました。 手作り教材で「買い物」のロールプレイ

体験

 ボラみ隊 佐原 恵津子

普段は『ボラみみ』の配達と、フィリピン人の子どもたちに日本語などを教える活動をしています。やりたいこといっぱいの欲張り主婦です。
団体紹介   あいち日本語の会  
   E-mail:antoon27@yahoo.co.jp
   URL:http://aichi-japanese.hp.infoseek.co.jp/
スタッフ一人ひとりが会の運営者となり、「日本語を学びたい」と考えている国籍も年齢もさまざまな外国人に対して学ぶ場を提供しています。現在、学習者は40名ほど、ボランティアは25名ほど登録しています。


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